人民裁判の物語 

日本遺産「炭鉄港」構成文化財は45認定されています。
個人で見学可能な場所もあれば、予約を取って見学可能なもの、外観見学のみのもの、非公開のもの、場所や施設によって様々です。

非公開とされているものの中で、美唄市に「人民裁判の絵」があります。
130㎝×193㎝の大きな油絵で、1950年に制作されたものです

「人民裁判」とは、、
戦後労働運動の象徴的な事件として知られています。
賃上げなど労働条件の向上を求める三菱美唄炭鉱の労働組合員たちが、美唄市内の宮ノ下会館で鉱業所の幹部職員を36時間にわたって拘束した大衆団交。
絵は、同炭鉱美術サークルの鉱員5人が完成させたものです。

非公開とされているのですが、昨年の「ぷらぷら美唄」で、地元の方々のご厚意とご協力をいただき、特別に実物を見せてくださいました。
IMG_0808のコピー
↑↑これからお見せしますよ〜と、まず解説から…!

とても迫力のある絵で、よく見ると「定額制を実施せよ」「五円三円の手当てをよこせ」と書いたプラカードを掲げている人がいたり、キャップライトのヘルメットを被った炭鉱マン姿で参加していたり、女性も混ざっていたり、、、
そして幹部職員側の人は下向き加減の様子…、リアルで臨場感のある絵です。


この「人民裁判」を、マンガにして紹介している冊子ができました。
「コールアンドレスポンス」「石炭と返答」という意味になります。

人民裁判に至るまでの過程や戦後の人々の混乱が想像でき、わかりやすく伝わってきます。
DSC_6172.jpg
美唄市の地域おこし協力隊の坂正徳さんが描いたマンガで、昨日の北海道新聞全道版「ひと2020」にも紹介されていましたね!!
「美唄の歴史を知るきっかけになれば」との事で、美唄市内の学校に配布されるそうです。

そして、この冊子を企画されたのは、美唄鉄道の東明駅保存会の皆さんです。
美唄鉄道は「人民裁判」の舞台である三菱美唄炭鉱の石炭を運んでいた鉄道。東明駅舎と敷地内の機関車も「炭鉄港」の構成文化財です。
保存会の皆さんは、美唄鉄道の廃線後、残された駅舎と機関車の保全、周辺整備、定期的に公開するなどの取り組みをされてきています。美唄市の炭鉱の記憶がそこにあると伝えられているのは、保存会の皆さんの活動があってこそ、とも言えると思います。


「人民裁判の絵」は非公開なので、知らない方も多かったようですが、これからは「知っておきたい」「大事にしたい」「見てみたい」地域の宝として知られる事となりそうです

マンガ「コールアンドレスポンス」は、マネジメントセンターでもご覧いただけますので見たい方はスタッフにお声がけください





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